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2021/Text No.050
当サイト情報提供者の方より頂いた交通事故現場鑑識画像。
ありがとうございます。撮影は札幌市白石区川下3条7丁目
道道864号 北13条・北郷通。5月7日に発生の死亡交通事故を
受けての事後検証。
一時停止標識のある側道から本線へ合流した車両と、本線を直進
してきた車両が衝突し、合流しようとした車両の乗員1名が死亡、
他双方合わせて4名が負傷。合流しようとした車両の乗員のうち
1名は命に別状は無いものの、重篤な後遺症も懸念されるかなりの
重傷を負っているという。
本線を走行してきた車両は、いわゆる優先道路側を走行してきたと
言える。しかし警察の調べで焦点となっているのが、その時
同車両が出していた速度。また、事故直後のドライバーの様子に
ついて、複数の目撃情報によると救護義務を果たしていたのか
どうかについては、諸説あると言われている。
という訳で本線走行車両がどれぐらいの速度で走行してきたのか、
それを含め詳しく調査する為の鑑識だ。投入されたのは交通事故
現場では定番のステレオカメラ車。車種はE26キャラバン。
カメラユニットはリコー社製。いわゆる立体写真を撮影する。
奥行きを含めた位置関係を把握できる写真が撮れる。
そしてその事後検証の翌日、現場付近に投入されたのは可搬式オービス
こと北欧くん。重大な事故が起きるとコイツが一度だけ、あるいは
ほんの数回現れる。今回は事故3日後にその姿が確認された。投入の
際は報道関係への投げ込みも行われ、フォトセッションが行われる。
撮影会が終われば撤収。要は「やりましたよ」って姿勢を記録
させたらもう終わり。北欧くんがガチでやる時はウトナイ白老
文京台。Yeah.
設置個所を地図で確認。これは本件事故が起きた方向とは逆。
そういう所からも「やりやすさ」「やりましたよという事実」
だけを追求し、事故再発防止という姿勢にはほど遠い。
北欧くん設置ポイントよりも手前に設置される「速度違反取締中」
警告看板。ドライバーに見せる為ではなく、後に取締りを巡って
法廷で検挙したドライバーと争う際に警察側が有利になるように
する為に設置される。だから置き方もこんな感じに。
北欧くんトランポ役の200系クラウン覆面。元高速隊所属、現交機隊
所属。ナンバーの数字から西暦くんと呼称している個体。
ルーフには例のフタ。車内に注目。
無線機が外されている。こいつはもう北欧くん運搬等のゲタ用務
にしか使用されないと思われる。
北欧くんのフォトセッションが終わった後、ほぼ同位置で今度は
設置式ネズミ捕りが開始された。この展開は熱い。しかし
相変わらず取締り方向は逆。事故が起きた方向と順方向で同ネズミ
捕りを実施しようとすると、札幌方面厚別署管轄に入ってしまう。
そういう事だ。事故の事実を知った側からすると、「そんな事で!」
と思うだろうが警察側にしてみれば我々の思う「そんな事」が
重要なのだ。
北欧くんは札幌交機が運用。こちらのJMA-240は札幌方面白石署
交通課が運用。
設置ポイントを地図で確認。いわゆる「とんかつ屋前」だ。定番
ポイント。この度の事故はその定番ポイントの逆方向で起きた
という事だ。
事故により路面に残された痕跡とそのガイドマーキング。そこに
JMA-240。
対岸には献花と供物。
事故発生車線側。事故の調べで、これからどんな事実が出て
来るか。それとも何かが作用するか。
違反車両発生。
操作係も停止係と共にダッシュ。幾度となく繰り返される検挙劇。
ここは事故現場でもあり定番の速取りポイントでもある場所に。
その周囲を見ていこう。
今回の事故の被害を受けたとんかつ屋「くにか」
店舗兼住宅。住宅側玄関ドアは事故で飛び散った破片で破損。
インターホンも同様。灯油タンクには飛んできたタイヤが
衝突した跡。
店舗側の窓ガラスも破損。
とんかつ屋の隣の建物の更に隣に注目。
地蔵がある。もうかれこれ10年以上前からあるものだそうだ。
元は別の場所に設置されていたものだったそうだ。ここに移設
された当時、何かあったからなのだろうか。交通安全の文字が空しい。
そんな場所での検挙劇。これからも繰り返される。安心しなよ
僕達みんないつだって やることは同じさ。
このエリアで何があったのかなんて知らないんだろうなぁ。
サイン会場へどうぞ。
戦場で棒立ちしていて背中を刺される。おかげで我々はこうして
撮影ができる。
自身が叩き出した記録を確認させられる。にもかかわらず
ゴネる。自身の速度を是認しつつ、「この道を走るのは初めて
だった。片側2車線の道路なのだから、時速60キロ制限(法定
だから制限じゃないけど)道路だと思った」という言い訳を
始終していたという。甘い。背中にナイフが刺さった状態で
低次元の持論を展開するのは見聞きしていて面白い。
一体何を招いたのやら。
献花に手を合わせる歩行者。
その後、
斜め横断。哀悼の気持ちは100点、交通安全への気持ちは30点って
所か。
検挙ではない。停止係が車両を停止させて、操作係が対岸へ。
その先には自転車が。
斜め横断した自転車の老人が道路に鍵を落としたのだ。それを
拾って届ける。
落としましたよー。この道道864号 北13条・北郷通はまさに斜め
横断天国。いずれここで歩行者が轢かれる事故も起きるだろう。
そう遠くないうちに。
ありゃ!ワシ鍵落としたかのう!
斜め横断はやめてくださいと諭す警官。しかしここをずっと
四六時中見守ってくれている訳ではない。
郵便バイクとJMA-240。
話したくて仕方ない近所のオバサン。特段重要な情報を持っている
訳ではない。
話しを本筋へ。違反車両発生。
真実の瞬間。
違反車両は取締りには気付けなくてまんまと撃墜されたが、
警官の姿には100点満点で反応。あっと言う間に減速して停止。
縮こまって動かない検挙車両。「オメーだよオメー」「早く
来いよ」状態。
諦めて動き出す。
サイン会場へどうぞー。
操作係はノリノリになっているのではなく、マスクをかけ
直している。
ここで何が起きたかなんて(以下略)。
自身の記録を確認。
はい、時速69キロ。なんでわかるんだよ。
なんか貼ってある。
「安全のため多段階一時停止を実施する」けれど、速度違反は
するぜぃ。
取締り終了。ほぼ2時間やって、戦果2台。ペースとしては
イマイチ。だが、ギリギリ惜しかった速度違反は山ほどあった
そうだ。これ、これからも事故
起きるで。
JMAがきちんと作動していたかをチェック。音叉を使用する。
チュッパチャプス。チュッパチャップスじゃないからね。
ヘッジホッグじゃないんだから。
テストも無事終了。片づけに入る。
今後もここでの取締りには期待できる。激突戦域だもの。
さよーならー。
事故現場を側道側から見る。橋の起伏がやってくる車両の姿を
隠すロケーション。
ここを時速100キロでやってきたら、どれぐらいの時間で駆け
下りてくるんだろう。